ハワイ在住編集者が斬る!コピーライターとライターの違いとは

ブログのような文章を書く人を「ライター」と、簡単に人は呼びますが、プロとしての「ライター」にはそれなりのスキルが必要とされています。また「ライター」を語る際、明確にしておきたいのが「コピーライター」との違いです。では、「コピーライター」と「ライター」はどのように異なるのでしょうか?

広告業界でコピーライターとして働き、ライター業は15年以上こなしてきている筆者が、コピーライターとライターそれぞれにおいて求められるスキル、活躍できるフィールドなどをまとめてご紹介します。

コピーライターとは

「コピーライター」の「コピー」とは、広告業界における用語で、広告に使われる文章のことを言います。よく「広告のコピー」というと、キャッチコピーだけを指すものと勘違いされますが、広告に使われている文章はすべて「コピー」です。「コピー」を細かく分類すると、「キャッチコピー」や「ボディコピー」「リードコピー」などがあります。だから「コピーライター」とは、それらの広告のコピーを書く人のことを言います。

コピーライターの役割

広告制作の現場では、プロデューサー、クリエイティブディレクター、デザイナー、プランナー、コピーライターなどがチームを組んでプロジェクトを進行しますが、コピーライターが担当する仕事は、主に広告の文章に関わること。「キャッチコピー」の一言や一文だけを作って役目終了ということは少なく、キャッチコピーの周辺にある細々としたコピーも作る必要があります。

また、コピーライターの出番となるのが、企業や商品などのコンセプトを考える場面です。コンセプトとは、その企業や商品の芯となるテーマを設定することで、その後の営業方針や広告展開の方向性を決める上でとても重要な役割があります。

企業や商品の特徴を洗い出し、競合と比較し、さらに社会背景や人々の思考傾向なども踏まえて、誰にでもわかりやすいワードに具現化する作業が、コンセプトメイキングです。簡潔でわかりやすい言葉を使ってコンセプトワードを創り出すプロセスは、言葉のプロであるコピーライターの腕の見せ所です。

コピーライターに求められるスキル

コピーライターとライターでは、求められるスキルは大きく異なります。コピーライターはキャッチコピーだけでなく広告に使われるすべてのコピーを作ることが仕事と上述しましたが、とは言っても、広告においてキャッチコピーは命。

だから、コピーライターには、ライターのように上手な文章を書く力はそれほど必要ではありません。それよりも、大切なのは、言葉選びのセンス。世の中の人々の目にとまるコピーは、難しい言葉を使う必要はなく、小さな子どもでもわかるような、やさしい言葉を使っています。ポイントとなるのは、やさしい言葉とやさしい言葉をどう組み合わせるか。そこにコピーライターのセンスが光ります。

さらにそのセンスを磨くためには、人間観察力や洞察力が必要でしょう。ぐっとくるコピーは、「心の奥深くで思っていたけれど、うまく言葉に表せなかった」気持ちを見事に表現しているものです。だから、上手なコピーライターは、「人の心の動き」や本音をキャッチできる力があるのだと思います。

コピーライターが活躍できる場面

上述しているとおり、コピーライターとは広告業界における職業です。当然、主戦場は広告の世界。Web広告、テレビ広告、雑誌広告などがあります。

コピーライティングのスキルが活きる場

コピーライティングのスキルと共通するのが、雑誌や週刊誌、スポーツ誌、Webの記事でタイトルをつける際に必要となるスキルです。これらに通じているのは、わずか数十文字の言葉だけで、いかに人の心をつかむかが勝負ということ。そのフレーズだけで、雑誌や新聞の売上、Webのアクセス数に大きな差が出るため、インパクトがあり、人々の好奇心をくすぐるタイトルづけが求められます。

だから、コピーライターの経験を持っている人は、それらのフィールドに行っても、活躍の場が十分あると言えるのです。

ライターとは

ライターとは、ある程度の文字量がある記事について、正しく情報を読み手に伝え、文章をまとめる人のことを言います。文章を書くためには、取材したり、情報を収集したりすることも必要です。

ライターが活躍するフィールド

数多くのWebメディアが生まれている昨今、ライターが活躍できる場は、Webメディアがメインになるかもしれません。しかしそれ以外にも、広告物(ポスター、Web、パンフレットなど)や紙媒体(雑誌、新聞、フリーペーパーなど)でも、もちろん活躍している方がたくさんいます。

ライターの役割

ライターが仕事でこなさなければいけないことは、まず情報収集です。現代は、インターネットの検索で簡単にあらゆる情報が入手できるようになりましたが、実際に取材をしたり、自分で体験したり、自分の目でみたりといったことが重要です。

ライター業は、確かにパソコンとインターネットさえあれば、どこでもできる仕事かもしれません。しかし、百聞は一見にしかず。自分の五感で確かめてこそ、本当に魂のこもった文章は作れると思います。

また、インターネットで情報を探す際は、それが本当に正しい情報なのか、裏どりをすることも大切。真偽がわからないような情報で文章を起こしていては、プロのライターとは呼べません。

さらに、編集者やディレクターから指示された内容を文章にするだけでなく、記事テーマを提案する力も重要です。

ライターに求められるスキル

当然すぎることではありますが、ライターのスキルとして最低条件にあるのが、正しい日本語を書けること。日本人ならば誰もが正しい日本語の文章を書けると思ったら大間違い。大抵の方が、文章の使い方を間違っているものです。

何も知らない第三者が文章を読んで、誤解のないように正しく情報を伝えなければならないため、主語や述語を明確にするといった、日本語の基礎を学んでおかなければなりません。

また、同じテーマを書いているのに、「面白い」と思う文章と「つまらない」と感じる文章があるのは、言葉の選び方や文章全体の構成力にかかっています。起承転結をうまく組み立てて、どのような構成にするとよいのか考えなければいけません。

さらに、読み手がどんな人なのか、広告なのか媒体にのるのか、どこに使われる文章なのかを理解して、それに即したトーン&マナーで文章を起こすことが求められます。女子学生相手の文章と、ビジネスマン相手の読み物、商品カタログでは、それぞれ文体が異なるのは当然です。

編集者はコピーライターとライターのスキルが必要

最後に考えておきたいのが、編集者というポジション。ここでは、雑誌やWebなどのメディアにおける編集者を指しますが、編集者はコピーライターとライターの両方のスキルを持ち合わせていなければできない仕事だと思います。

編集者は、記事の企画を考えて、ライターやデザイナー、カメラマン、モデルなどにディレクションを行います。誌面全体の方向性を指示する立場ですが、ライターが作った文章を自ら書き直したり、手を加えたりすることは日常茶飯事で、編集者でライティングができない人はいないはずです。

また、企画の命ともなる企画タイトル、記事タイトルをつけるのも、編集者の役割で、ここにはコピーライティングのスキルが必要となります。

だから、メディア編集者というのは、コピーライターとライターをかけあわせたような仕事と表現しても決して間違いではないと思います。

参考:ハワイ在住・海外編集者が斬る!紙媒体のライターとWebライターの違い
参考:コンテンツマーケティングとは?編集者だからわかる基本の考え方

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