オウンドメディアや自社のウェブサイト、SNSなどを運営している方、マーケティング分野に従事している方なら、「コンテンツマーケティングを考えないと」と思う場面が少なからずあるでしょう。しかし「コンテンツマーケティングは必須」などという言葉ばかりが先行して、コンテンツマーケティングは良いことばかり、という先入観がありませんか?
何事にも良い面とそうでない面があるものです。ここでは、コンテンツマーケティングのメリットとデメリットの両面にフォーカスしてみましょう。
参考:コンテンツマーケティングとは?編集者だからわかる基本の考え方
企業やサービスの規模にもよりますが、一般的な広告には多大な費用がかかります。それに比べると、高額の費用が必要とは限らず、コンテンツマーケティングの導入に対するハードルは決して高くありません。たとえばブログ一つを始めることでも、コンテンツマーケティングの一種ですから、コンテンツマーケティングは誰にでも始めることができるマーケティング手法と呼べます。
コンテンツマーケティングはまず最初に、狙っていきたいターゲットを明確にします。その層の心に届くコンテンツを作るわけですから、コンテンツマーケティングが上手くいくということは、狙ったターゲットに確実に情報を届けられるという意味。世界中の無数の人々が使うウェブという場が舞台であっても、本当に届けたい人に狙い撃ちできるというのが、コンテンツマーケティングの特徴でしょう。
コンテンツマーケティングでは、既にその企業や商品のファンである層にだけでなく、“気に入ってくれる可能性がある”潜在層にもアプローチできます。「今まで特別な興味を持ったことはなかったけれど、なんだかイイじゃん」と思わせるのが、コンテンツマーケティングの醍醐味。魅力あるコンテンツによって、潜在層の「好き」というポジティブな感情を芽生えさせることができます。
コンテンツマーケティングでは、ユーザーがそのコンテンツに接触したことに対して、「知ってよかった」、「読んで面白かった」というように、メリットを感じられることが基本です。そして、そのような良いコンテンツは、周囲の人に自然と伝えたくなるもの。だから、SNSなどを通したコンテンツの拡散が期待できます。
コンテンツマーケティングで制作したコンテンツは、その企業や商品の魅力を伝えていくものであり、半永久的に残っていくものでアセット(資産)になります。多くの人々が認める歌や物語などが、時代を越えて繰り返し評価され愛されていくように、良質のコンテンツは財産となっていくでしょう。
ユーザーに「ためになった」と思われるコンテンツを用意するためには、それなりのリサーチや取材、編集、情報の裏づけ作業などが必要です。SNSやブログをスマホから投稿するような、カジュアルで片手間に行う感覚ではアウト。一つひとつのコンテンツについて、キーワードの洗い出しやリサーチ、ライティング、確認などの丁寧なプロセスが大切です。
たとえばコンテンツの文章一つをとってみても、良質のコンテンツでは、正しい情報を正しい日本語で誤解がないように伝えるスキルが求められます。それと同じで、編集や校閲などについてもプロとしてスキルを有する人の力は必要となるでしょう。
コンテンツマーケティングは企業や商品の良さをダイレクトにメッセージする手法ではありません。ターゲットが興味を持つであろう分野について、共感と信頼を少しずつ積み重ねていき、その結果として企業や商品を好きになってもらいます。そのため数週間や1ヶ月といった短期間で、すぐに目に見えるような効果は現れないでしょう。
すぐに効果がでるものではないからこそ、コンテンツマーケティングは継続していかなければ意味がありません。また効果がわかりにくいからこそ、コンテンツ制作を高いモチベーションのまま続けていくことは、決して簡単なことではないでしょう。
コンテンツマーケティングを導入するのならば、きちんとした計画とターゲティングなどのプロセスが欠かせません。しかし、そのような工程のどこかでつまづいてしまったり、やり方を短縮化してしまったりすると、思うような結果が見えないことがあるかもしれません。場合によっては、理想としていたのとは逆の方向にユーザーを導いてしまう可能性もゼロでは無いのです。
コンテンツマーケティングという言葉に踊らされるのではなく、まずはこのようなメリットとデメリットについて最初に理解をしておくことが大切です。デメリットはあるものの、それでもウェブサイト業界全体でコンテンツのクオリティが問われる傾向は、今後ますます高まっていくと予想できます。そのような背景でコンテンツマーケティングを導入するメリットはやはりとても高く、価値あることだといえるでしょう。
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