テレビやグラビア、雑誌など各種メディアがハワイで撮影・取材でするとき、どんなことに注意しておけばよいでしょうか?ハワイ・オアフ島在住でメディア編集者として長い経験を有する筆者が、自身の経験をもとにハワイ撮影・取材を成功させるためのポイント10項目を厳選してご紹介します。
1.ハワイ取材に必要となる撮影ビザを取得する
2.取材先の窓口を把握する
3.取材申込みは早すぎずベストタイミングに
4. ワイキキ・ダウンタウンの撮影なら車よりタクシー利用が便利
5. 取材先周辺の駐車場を把握する
6. 観光客が多いシーズンは避ける
7. ハワイ到着日は打ち合わせ・下見のスケジュールに
8. 朝の天候でスケジュール変更等の判断をしない
9. 現地のライターを活用する
10. 飲み水を十分に用意しておく
1 ハワイ取材に必要となる撮影ビザを取得する
日本の撮影チームがハワイへわたり、報道、メディア、出版などの撮影を行う場合、商業行為であるため、通常の観光のようにESTA(電子渡航認証)でのビザ免除が適用されず、必要な商用ビザを取得しなければなりません。しかしビザの取得には時間も費用もかかり、手続きも煩雑です。
ただハワイには、商用ビザを免除するプログラム「HIFA(Hawaii Film/Video Pilot Program、通称パイロット・プログラム)」があり、日本の方はこのプログラムを利用してビザの免除を申請し、ハワイで撮影を行うことができます。
商用ビザ免除の「パイロット・プログラム」
「HIFA」とはハワイ インターナショナルフィルム協会という非営利団体で、 通称「ハイファ」とよばれ、 ハワイ外からの撮影クルーの許可申請などのサポートを行います。
パイロット・プログラムを利用すれば、申請にかかる日数はおよそ2週間で、最大90日の滞在が可能です。パイロット・プログラムの申請料金は、1~10名の場合$400、11~25名で$600、26~50名で$800、51名以上で$1000。通常申請料金に上乗せ料金をプラスすれば、平日6日以内の申請を進めることもできます。
参考:短期商用・観光 (B1、B2) ビザ(在日米国大使館)
HIFAプログラム(ハワイ インターナショナルフィルム協会)
撮影機材・衣装の持ち出しには「カルネ」の準備を
撮影機材や照明用具、美術用品、衣装、楽器などを日本からハワイに持ち出して、撮影終了後にまた日本に持ち帰る場合、「カルネ(正式名称:ATAカルネ)」と呼ばれる一時免税通関の書類の発給を受けておくと、書類作成の手間が省けて課税されることもなく、スムーズな移動ができます。カルネの発給は一般社団法人日本商事仲裁協会が行っています。
2 取材先の窓口を把握する
ハワイのホテルやレストラン、ショップなどで撮影・取材する場合、取材先の広報業務を日本人が担当していることも少なくありません。ホテルや海外にチェーン展開しているグループ企業など、大手の場合は特に、日本人の広報担当者がいることが多いでしょう。その場合、日本で撮影や取材をするときと同じような感覚で、事前準備ややりとりも行うことができます。
一方、取材先の担当者が日本人でない場合は、連絡が頻繁にとれなかったり、事前のスケジュール通りに進められなかったり…といったことも起こり得ます。
3 取材申込みは早すぎずベストタイミングに
日本で撮影や取材を行う場合、かなり早い段階からスケジュールを組んで、綿密に準備をするのが一般的。一方ハワイでは、日本ほど綿密に用意することは稀かもしれません。
そのため撮影・取材先に依頼をするタイミングが、あまりにも早すぎてしまうと、撮影日を忘れられてしまうことも。ほどよいタイミングで撮影・取材依頼を行い、しっかりフォローアップをしておくことが大切です。
4 ワイキキ・ダウンタウンの撮影なら車よりタクシー利用が便利
ワイキキとダウンタウンは駐車場がとても少ないエリアです。そのため撮影クルーが車移動をすると、その駐車場を確保するのにかなり苦労することになります。徒歩圏内の場所を数箇所移動する程度なら、徒歩やタクシーを活用する方が断然スムーズです。
5 取材先周辺の駐車場を把握する
ワイキキやダウンタウン以外においても、駐車場を把握しておくことはとても重要。駐車場を探すために車で周囲をぐるぐる移動するようなことになってしまっては、時間のロスです。
6 観光客が多いシーズンは避ける
ハワイは一年を通して観光客が多いですが、その中でも夏休み期間(6~8月)、年末年始(12~1月)、春休み(3月)はハワイ渡航者数が多い時期のため、撮影・取材には不向き。狙い目なのは、比較的観光客数が少なくなる4月や9月頃です。
参考:観光客数から分析!ハワイ旅行「狙い目&ベストシーズン」はいつ?
7 ハワイ到着日は打ち合わせ・下見のスケジュールに
日本からハワイに来る場合、日本を夜出発してハワイの朝から午前中に到着する便がほとんどです。機内でしっかり睡眠を取れればよいのですが、そうでない場合はハワイ到着後はどうしても疲れが出てしまうものです。
そのためハワイに到着した1日目から撮影・取材のスケジュールをびっしり立てておくと、体力面への負担がかなり出てしまいます。
ハワイ到着日は、下見や打ち合わせ等の軽いスケジュールのみにしておいて、2日目から本格的な撮影プランを立てておくとよいでしょう。
8 朝の天候でスケジュール変更等の判断をしない
ハワイの天候は1日の中でも大きく変化します。朝は曇ったり雨が降ったりしていても、1日中そんな天気が続くとは限りません。だから朝の気候だけで、その日のスケジュールを変更するなど、ジャッジをしないことが賢明です。
ちなみにハワイでは、雨季(11月~4月)であっても、日本の梅雨のように一日中雨が降り続ける日はほとんどありません。
9 現地のライターを活用する
どんなに予定をしっかり立てておいても、撮影を改めてした方がいい場合や取材を再度行うようなケースも出てきます。撮影クルーがハワイ滞在を延長することなど簡単にはできない場合が多いですから、そんなときはワイ在住の現地スタッフ(エディターやライター)を活用して、彼らに依頼するなどしましょう。
10 飲み水を十分に用意しておく
ハワイで終日撮影・取材に出る場合は、必ず十分な飲み水を持参しておきましょう。特に屋外での撮影、夏のビーチの撮影はかなり過酷で体力勝負です。もちろん近くのコンビニやスーパーなどでも、どこでも飲み水は購入できますが、あらかじめ持参しておいた方がなにかと便利です。
参考:
事前の戦略で理解するべき!コンテンツマーケティングのメリット&デメリット
ハワイ在住編集者が斬る!コピーライターとライターの違いとは
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