企業のマーケティングに欠かせない存在のSNS。日々の投稿で企業のブランディングに繋げることができます。そこでSNSを活用してブランディングするメリットと、ブランディングを成功させるためのポイントをご紹介しましょう。またSNSでブランディングに成功した事例もピックアップして解説します。
新商品の紹介やキャンペーンの案内など、さまざまな情報を発信できるSNSは、企業やブランドにとって必要不可欠です。そしてSNSは、単なる情報発信の場だけでなく、ブランディングにも活用できるのです。
そもそも「ブランディング」とは、消費者に対して、企業やブランドに共通のイメージを持たせることを言います。例えば、コカ・コーラといえば、多くの人が赤いロゴマークや赤いパッケージを想像することでしょう。そのように企業やブランドに対する共通の認識を浸透させることが、ブランディングです。
そして、ブランディングによって企業やブランドの最大の強味や世界観を消費者に伝えることができ、競合との差別化やコアなファンの獲得に繋げられるのです。
これまでの一般的なブランディング手法というと、TVCMを始めとした広告掲載が主流でした。このような広告には多額の費用がかかります。一方でSNSは低コストで運用することが可能で、しかも消費者一人ひとりとダイレクトにコミュニケーションできるということが、大きな違いとしてあります。
多くの企業やブランドが広くSNSを運用するようになった今、SNSを活用してブランディングするメリットとして、どんなことが考えられるでしょうか。
SNSを使ったブランディングの最大のメリットは、費用を抑えられる点。どんなSNSも無料でアカウントを作ることができ、日々の投稿も無料でできます。もちろん、SNSの投稿には写真撮影やコピーライティングを含め、運用に関わる人員のための経費などは必要ですが、従来のような多額の広告費と比べるとずっと低コストで運用できます。
テレビや新聞などのマス広告では、ターゲットを絞りこんで広告を打つことが難しいという特徴があります。しかしSNSを利用すれば、年齢や性別、ライフスタイル、趣味などでセグメントして、よりターゲットを絞り込んで発信することができます。そのため、企業やブランドのターゲットに合わせて、効率的にリーチできるわけです。
SNSでは、投稿に対して消費者がコメントを残したり、ダイレクトメッセージを送ったりすることで、企業やブランドはファンから直接リアルな声を集めることができます。このように消費者1人ひとりと直接コミュニケーションをとれるのは、SNSの大きなメリットです。SNSで得られたファンの声が、新商品のアイデアに繋がったり、商品の改善に活かされたりすることもあるでしょう。
消費者と積極的にコミュニケーションをとっている企業やブランドには、多くの人が親しみを感じ、共感する心が芽生えるはずです。つまり、消費者とブランド間の相互のやりとりを通じて、ブランドのファンを育てていくことになります。
従来のブランディングには多額の費用がかかっていたため、これまでは広告宣伝費としてそれなりの予算を持っている大手でなければ、ブランディングを行うことは困難でした。しかしSNSは低コストで運用できるため、中小企業でも積極的にブランディングを行うことができます。しかもSNSをきっかけに、消費者の間で話題になり名前が知られるようになった企業も多くあり、中小企業こそぜひ積極的にSNSを利用したブランディングを行うことがいいでしょう。
では、SNSを活用してブランディングを成功させるためには、どのような点に注意するべきでしょうか。
SNSでのブランディングを考える際、まず最初に行わなければならないのは、企業やブランドの強味について分析することです。自分たちの企業やブランドの最大の魅力は何なのか、競合とは異なるところは何なのか、徹底的に整理しましょう。
その際、社内での思い込みによって誤った強味を認識しないように、顧客など第三者から見た意見にもぜひ耳を傾けることをおすすめします。このように企業やブランドについて、客観的かつ多面的に分析を行うことで、ブランド戦略の糸口が見えてきます。
強味を把握したら、それをもっともアプローチするべきターゲットについて考えましょう。性別や年齢だけでなく、どんなライフスタイルを送り、どんな趣味を持っている人なのか、どんな考えを持っている人か等、細かくターゲットを設定していきます。
強味とターゲットが明確になったら、その強味をどのようにターゲットに伝えていくか、その手法について考える必要があります。そのためには、SNSに使用する写真と文章(コピーライティング)に、ある一貫性を持たせることが大切。これによってブランドの世界観が構築できるようになります。
SNSでのブランディングは、短期間でできるものではなく、長期間継続していくことで醸成されるものです。SNSは1回投稿するだけならそれほど負担にはなりませんが、継続するとなると決して簡単にできることではありません。しかし、継続こそがブランディングに繋がる大切なステップです。ぜひ継続して投稿を続けましょう。
それでは、SNSを活用してブランディングに成功している事例をご紹介しましょう。
5ツ星のラグジュアリーホテルとして開業した「アマン東京」。客室やレストラン、ロビー、スパなど、非日常を体験できるホテルのワンシーンを美しく切り取った写真が印象的。クオリティの高い写真と、上質なトーンのコピーライティングで、アマン東京ならではの洗練されたイメージを醸成しています。
ユーザーがニコンのカメラレンズで撮影した写真を「#light_nikon」のハッシュタグをつけて投稿すると、ニコン公式のインスタグラムアカウントで紹介するというシステム。写真を主体としたインスタグラムの特徴を活かして、ニコンのカメラレンズの素晴らしさを伝えながら、ユーザーの作品集のようになっている事例。ブランドとユーザーが一緒になってコミュニケーションできる場となっている典型的な例でしょう。
コカ・コーラのSNSでは、ポップな写真やイラストを多用。テーブルに1本あるだけで、その場が明るく楽しくなるようなコカ・コーラのイメージにうまく合っています。「パーティではコカ・コーラがあるといいね」と思わせる、上手なブランディングがされています。
京都にある高級モンブラン専門店「沙織」。取り扱っている商品点数は限られているものの、背景をダークにして商品にフォーカスした写真を一貫して投稿。商品の特別感と和栗へのこだわりを徹底的にアピールして、ユーザーから共感を得ている良い事例です。
ハワイ州観光局では、海、山、花、人、食など、現地の美しい光景をカメラにおさめ、ひとつひとつの投稿でハワイの魅力を伝えています。ハワイ語や文化の説明なども交えながら、ファンの「ハワイに行きたい」気持ちを心地よくくすぐる投稿を続けています。
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