太平洋に浮かぶ島ハワイはハリケーンの接近や上陸が毎年のように起きている場所で、過去には死傷者が出る甚大な被害をもたらしたこともあります。ハワイでのハリケーンシーズンや過去の被害状況、さらにハリケーンが来たときの対策についてまとめてご紹介します。
ハワイがある太平洋・大西洋沿岸地域及び南部地域(北米)と、中南米(カリブ海沿岸地域)では、毎年6月から11月までがハリケーンシーズンとされており、外務省海外安全ホームページにもその内容が明記されています。
ハワイの季節は夏と冬の2つに大きく分けることができ、夏は5月~10月、冬は11月~4月で、夏は乾季、冬は雨季になります。つまりハワイのハリケーンシーズンは夏の乾季の間から、冬の雨季にかけてやってくることとなります。
参考:【ハワイの天気】年間の気候と予報・服装まとめ
参考:ハリケーン・シーズンに際しての注意喚起(外務省海外安全ホームページ)
ではなぜ、ハワイでは「台風」とは呼ばずに「ハリケーン」と呼ぶのでしょうか?そもそもハリケーンと台風の違いは何なのでしょうか?
その理由は、熱帯低気圧はそれが存在する地域によって呼び名が変わるため。各地域ごとで定められている熱帯低気圧の名称は以下の通りです。
太平洋北西部
スーパー・タイフーン 最大風速 128ノット以上
タイフーン 最大風速 64~127ノット
トロピカル・ストーム 最大風速 34~63ノット
トロピカル・デプレッション 最大風速 34ノット未満
太平洋北中部・太平洋北東部・大西洋北部
ハリケーン 最大風速 64ノット以上
トロピカル・ストーム 最大風速 34~63ノット
トロピカル・デプレッション 最大風速 34ノット未満
インド洋・太平洋南部
トロピカル・サイクロン Tropical Cyclone
日本が含まれる太平洋北西部では、太平洋台風センターが最大風速が17.2m/s(34ノット)以上になった熱帯低気圧を「台風」と定義し、ハワイが含まれる 太平洋北中部・太平洋北東部・大西洋北部では、最大風速64ノット以上の熱帯低気圧がハリケーンと呼ばれます。
では、台風とハリケーンで強さは違うものでしょうか?ハリケーンの強さについては「カテゴリー1~5」と5段階で表現されますが、それと台風の強さを比較してみましょう。JAXAで紹介する「台風・ハリケーンの強さ比較」では次のように紹介しています。
ハリケーン カテゴリー1・・・台風(クラス3)
中心付近の10分間平均の最大風速17.2~24.5m/s
(建物への被害はないが、木の枝が折れたりする)
ハリケーン カテゴリー2・・・台風(クラス4)
中心付近の10分間平均の最大風速24..5~32.6m/s
(屋根の一部やドア、窓が壊れる。移動住居などに被害)
ハリケーン カテゴリー3・・・強い台風(クラス5)
中心付近の10分間平均の最大風速32.6m/s
(小さい建物などに構造的な被害をもたらす、樹木が倒れる)
ハリケーン カテゴリー4・・・非常に強い台風(クラス5)
中心付近の10分間平均の最大風速43.7m/s
(小さい住居の屋根が壊れる。海岸の大きな浸食がある)
ハリケーン カテゴリー5・・・猛烈な台風(クラス5)
中心付近の10分間平均の最大風速54.0m/s
(多くの建物で屋根が壊れる。海岸線の近くでは洪水が発生する)
日本では台風には番号が付けられ、「台風10号」などと呼ばれます。一方ハワイでは、ハリケーンにはそれぞれ名前がつけられます。2018年に発生したハリケーンは、「ハリケーン・レーン」、「ハリケーン・フローレンス」、「ハリケーン・マイケル」がありました。
ハワイではこれまでにハリケーンによって大きな被害を受けています。中でも最も大きな被害をもたらしたのが、1992年9月に発生したハリケーン・イニキです。
ハリケーン・イニキはハワイ諸島最北端にあるカウアイ島を直撃し、1,400戸以上の家屋が全壊し、自宅が被害を受けたのは合計13,000戸以上となり、死者6名を出すこととなりました。
またこれ以外のハリケーンでも、河川の近くでは洪水が起きたり、床下浸水が発生した住居もあるなどの被害が出ています。
ハワイ滞在中にハリケーンが接近した場合はどうしたらいいでしょうか?ハリケーンの状況により飛行機の離発着に影響がでることもあります。運休や遅延などについては旅行会社、航空会社に問い合わせるようにしましょう。
ハワイでハリケーンが接近、上陸する場合、多くのレストランやショッピングセンターなどが閉店することもあります。過去には、普段なら観光客で夜遅くまでにぎわうワイキキの街もひっそりとし、旅行客はホテル内に缶詰め状態になったこともあります。
またハリケーン接近に伴い、水道や電気などのライフラインが止まる可能性もあります。ハリケーンが近づいているニュースがあれば、スーパーマーケットなどの飲み水や簡易コンロなどはすぐに品切れ状態となりますので、早めに準備をしておくのが大切です。また現金の準備や車にガソリンを入れておくといった準備も必要です。(電気が止まった場合ATMやガソリンスタンドは動かなくなるため)。
万が一ハリケーン接近・上陸に遭遇した場合は、必ず最新のニュースなどを確認し、滞在先ホテルや旅行会社の指示に従うように、安全を確保しておきましょう。
This website uses cookies.