ハワイというと常夏の楽園で、凶悪犯罪など無縁…と思われるかもしれません。しかし、ここは日本ではなく、アメリカ。警官は腰に拳銃を持っているし、決して気をゆるしていい土地ではありません。ここでは、外務省が発表している治安や事件に関わる情報をまとめ、さらに現地在住の筆者だからわかる、ハワイのリアルな治安情報もあわせてご紹介します。
参考:ワイキキで銃による殺人事件が勃発!ハワイの有名観光地で起きた事件5選
参考:【ハワイの治安】観光客は知らない…日本人が被害にあった劣悪な事件
外務省の『海外安全ホームページ』では、世界各国の安全情報を随時紹介しています。それによると、「十分注意してください」のレベル1から、「退避してください。渡航は止めてください」のレベル4まで、4段階で安全情報が分類されている中、ハワイはどれにも該当せず、安全に海外旅行ができる地域とされています。
安全に旅行できる地域ですが、ひったくりや車上荒らし、置き引き、スリといった軽犯罪の発生率が高く、それらで狙われるのは主に観光客です。FBIの2014年犯罪白書『クライム・イン・ザ・ユナイテドステイツ』によると、ハワイ州の犯罪発生件数は46,977件。うち殺人・強姦・強盗などの粗暴犯が3,680件、各種窃盗などの財産犯罪が43,297件と、決して少ない数とはいえません。
近年ハワイで問題になっているのが、ホームレスの増加。ワイキキを歩いていても、ホームレスにすれ違わないことはないかもしれません。外務省『海外安全ホームページ』の情報によると、ハワイ州にいるホームレスの数は7,600人以上とみられ、人口比でみるとアメリカの中で最も多いとか。ホームレスが全員犯罪に絡んでいるというわけではもちろんありませんが、ドラッグ等で正気ではないのでは…と思われるような人が中にはいることも確かです。
ハワイで日本人観光客が巻き込まれた事件について、外務省の『海外安全ホームページ』で紹介されていた中から一部をご紹介します。
・置き引き(空港、ホテルのロビー、プールサイド、ビーチ、ゴルフ場等)
・レンタカーの窓ガラスを割られ中の荷物を盗まれた
・トイレに入っている最中フックにかけたバッグをとられた
・ホテルの部屋がノックされ、扉を開けたら複数の男に室内に侵入し強盗にあった
・ホテルで就寝中に侵入者が入り金品を奪われた(シャワー中でも同様の事件があり)
・ビーチで知り合った男性につけられ所持金をとられた
・街でり合った男性についていき暴行された
ハワイ在住の筆者が生活をしていて感じるのは、ハワイは比較的治安がいい、暮らしやすい場所であるということです。アメリカの銃社会の一部(ハワイ州では銃の所持は登録制)とはいえ、銃が使われる事件を頻繁に耳にすることはありませんし、夜8時や9時頃に女性が一人で街を歩ける(※安全なエリアに限った話です)というのは、海外の中でも珍しいでしょう。
しかし日本とは違うということをいつも忘れず、暗くて人がいない道は通らない、怖いと直感で思うような場所には近づかない、といったことは鉄則。さらに夜間は肌を露出した服は避ける等の心がけは自己防衛のためにも、絶対に必要です。
またハワイの一大ショッピングセンターである、アラモアナセンターでも、過去に駐車場付近で現地人の殺人事件が起きたこともありますから、決して100%安全ではないと十分肝に銘じておきましょう。
多くの観光客が集まるワイキキは、治安が比較的よい場所です。中心地なら夜11時ころまで人が歩いています。とは言っても、多くの飲食店やショッピングスポットは夜10時ころに営業終了となるので、それ以降開いている店はバーなどが中心となり、その時間に歩いている人は飲みに出かける人や飲んだ帰り道の人が多いでしょう。特に小さなバーなどはクヒオ通り沿いやその周辺にあります。できるだけ夜11時にはホテルに戻ったほうが安全。
また、中心から離れた場所や、中心であっても暗い小道や人影がないような道は通らないほうが安心です。アラワイ通り沿いは、かつて治安があまりよくない通りとして知られていました。今はだいぶよくなったものの、夜間は避けたほうがいいでしょう。
では、ハワイのオアフ島ホノルルの中で治安があまりよくない場所をピックアップします。
日中のダウンタウンはオフィス街のため安全ですが、夕方以降になると人影がほとんどなくなります。
こちらも日中はにぎやかなエリアですが、夜間は危険。さらにチャイナタウンより西側のエリアはホームレスが多いエリアです。
ホノルルからみて西岸は、基本的に治安があまりよくないエリアと考えておきましょう。
多くの観光客が訪れる観光スポットは、観光客を狙った車上荒らしなどが頻発する場所です。
昼間は人でにぎわう公園やビーチでも、暗い時間になると途端に危険なエリアになります。
旅行のお土産やブランド品などを買い物できる、ショッピングスポットの駐車場はひったくりや車上荒らしに狙われやすい場所です。
マクドナルドをはじめとしたファーストフード店は、日中は問題なくても、夜間になると危険な場所になります。ワイキキにもマクドナルドはありますが、たとえ営業していても夜遅い時間は利用しないほうが安全。
本人にはその気はないのに、現地の習慣や法律を知らなかったばかり、捕まってしまうことがあります。旅行客の場合、以下のことは見つかったら必ず逮捕されるとは言い切れませんが、指示に従わなかったり大声で反論したりすると、場合によっては逮捕されてしまうこともあります。
ビーチや公園、道路などの公共の場所では飲酒が禁じられています。
12歳以下の子どもをホテルの部屋や車の中で一人に放置することは、違法行為とみなされます。「子どもが寝ていたから…」とか「荷物番をさせただけ」といった理由は通用しません。また16歳未満の子どもが、保護者の同行無しに午後10から午前4時の間に外出することもできません。
日本でも厳罰を受ける飲酒運転。旅行客であっても許されるものではありません。
最後に、万が一の事態に備えてハワイ旅行中に覚えておきたいことをまとめておきます。
スリはちょっと目を離したわずかな隙に起こるものです。レストランのビュッフェ等で、荷物を席に置いたまま立つのもやめましょう。
訪れる時期の日の入り時刻をあらかじめチェックしておき、暗くなる前にホテル周辺の安全な場所に帰ってくるように。もしも帰る時間が遅くなったときは近距離でもタクシーを利用するなどの対策を。また早朝のまだ暗い時間も夜間と同様に危険です。
参考:ハワイの日の出&日の入り時刻 年間早見表
特に女性は、現地の男性の言葉にのせられて遊びに行くようなことはやめましょう。
ホテルの部屋にいる際、部屋をノックされたら、覗き穴から相手を確認し、もし扉を開ける際もチェーンをして開けるといった用心を。
レンタカーで出かける際、荷物や買ったものを車内の見えるところに置くのはやめましょう。また観光で出かけた先で、トランクにあからさまに荷物を入れていると、それを犯人に見られていては意味がありません。
万が一事件に巻き込まれた場合の対処法については「パスポート紛失・事故にまきこまれたら…ハワイの緊急事態対処法」を参考にしてください。
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