2017年6月21日、アメリカ、ミシガン州のビショップ国際空港で、警察官が刺される事件が発生しました。容疑者は「アラー・アクバル(神は偉大なり)!」と叫びながら警察官を何度も刺したといい、現在容疑者は拘束され、テロの可能性も含め捜査中であることが報道されています。
このニュースを受け、外務省とハワイ州在ホノルル総領事館は、アメリカやハワイに旅行を予定している方と在住者に向けて、注意喚起を呼びかける情報を発表しました。以前「生死の別れ道… “海外旅行で事前に知っておくべき”テロ対策10項目」の記事を紹介していますが、改めて外務省発表の情報をもとに、テロで標的として狙われやすい場所とそれぞれの予防策ををまとめました。
日本にいる際も、またハワイをはじめとした海外旅行を計画している場合も、ぜひ参考にしてみてください。
冒頭のニュースが起きたのがアメリカの空港。またベルギーの首都ブリュッセル国際空港では、2016年3月、ロビーで爆発が起こり、28人が死亡、約340人が負傷する大規模テロが発生しました。このように不特定多数の人が集まる空港は、テロ標的の格好の場所です。
そのため空港では搭乗手続きをすばやく済ませ、ロビーに滞在する時間を短くするほうが安全。旅行中であれば空港でのんびり土産を選んだり楽しみたいものですが、テロ発生の確率が高い場所であることを理解しておきましょう。
観光スポットや、観光地の道路は人が多く集まる場所で、テロに狙われやすくなります。2017年3月はイギリス・ロンドンの国会議事堂付近で、車が通行人をなぎ倒しさらに警察官1人を刺殺し、合計4人が亡くなる事件が起きています。ガードレールや街頭など車道と歩道を遮るものがない場所では、車が歩道に突っ込む危険が高まります。
イギリス・マンチェスターで開催された、アメリカの歌手アリアナ・グランデのコンサート会場で、テロによる爆発事件が起きたのが2017年5月のこと。20人以上が死亡し、怪我人は約60人にも及んだ大きな事件となりました。このようにコンサート会場やスポーツの競技場など、閉鎖空間に大勢の人々が集まる場所は、テロの標的となりやすい場所です。
このような場所に行く際は、できるだけ人混みを避けるのが賢明。会場には早めに入り、終了後は少し時間をおいてから退出するなどしましょう。特に会場の出入口付近や、セキュリティが確保されていない会場の外側は危険です。また万が一の場合に備えて、会場の出入口や非常口、非難の経路についてもあらかじめ確認しておくと良いでしょう。
日本でも地下鉄サリン事件が起きたように、大勢の人々が利用する公共交通機関は危険な場所のひとつで、海外においても同様のことが言えます。極力混雑している機関は利用せず、他のルートがないかなども考えておくことが大切でしょう。
多くの人々が集まるホテルもまた、テロの標的となりやすい場所です。特に旅行でチェックインする際は、大きな荷物を抱えたままロビーに行くことになるため身動きも取りにくく危険。さらにスリや置き引き等のリスクもありますから、荷物から目を離さず、できるだけ早めにチェックインなどの手続きを済ませ、ロビーに長居しないほうが良いでしょう。
大規模ショッピングモールは、旅行先での観光スポットのひとつとなりますが、そのような場所も危険。特に旅行先で初めて行く場所は、方向すらわからず、万が一の事態が起きたときにパニックを起こしやすくなってしまいます。出入口がどこにあったか、非常口のサインはどこにあるか、ということをチェックしておくと良いでしょう。
特に軍や警察、治安関係施設などの政府関連施設は、テロに狙われやすい場所です。一般人がそのような場所に出かける機会は多くはないでしょうが、旅行先であると観光スポットの一つとして訪れる場合があるかもしれません。また政府関連施設は、同じエリアにかたまって建てられていることも多く、安全が保障した場所では決してないことを肝に銘じておくべきです。
もしもテロが発生した場合、爆弾や銃器を用いたテロであれば、頑丈なものの影に隠れることが第一。さらに周囲を確認して銃撃音等から離れ、低い姿勢を保ちながらすみやかに安全な場所に大夫しましょう。イベント会場などの閉鎖空間の場合は、出入口に人が殺到して、将棋倒しが起こるなど二次被害が起こる場合もありますから、注意してください。
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