国が違えば習慣も文化も異なります。それは企業で働く人も同じ。日本とハワイの企業それぞれで正社員として就業した経験のある筆者が、日本での就職とハワイの就職で「ここが違う!」と痛感したことをまとめてご紹介します。
日本で就職する場合、給料の支給は月に1回が基本でしょう。でもハワイは多くの会社が、毎月15日と月末というように、給料日を月に2回設けています。当然1回あたりに支給される金額は月1回の場合に比べて半分になりますが、それでも、おおよそ2週間に一度のペースで給料がもらえるのは、単純に嬉しいものです。
月に1度しか給料日がないと、残りの約30日間のお金のやりくりは簡単なことではなく、給料日前は金欠気味になる方も多いはず。でも月に2度給料をもらえれば、それほど金欠度合いを感じることなく、すぐに次の給料日がやってくる感覚です。
日本の企業は、上限額が設けられている場合や正社員に限定される場合もありますが、大抵交通費は会社から支給されます。正社員のように週に4日、5日と働くなら定期券を購入する方がほとんどのはずで、定期券を持っていると休日の外出時など、仕事とは関係のないときでも定期券を使って交通費が浮くという、うれしいメリットがあります。
でも、ハワイやアメリカの多くの会社では、交通費の支給はありません。アメリカの場合、通勤は自家用車を使う場合が多く、ガソリン代や車の保険代、諸費用を考えると、「せめてちょっとガソリン代くらい欲しいよ…」と思うのが、本音。自宅から会社までの距離が遠い人ほど、自分の財布から持ち出す金額も増え、お金の面で痛いという事実があります。
業務の中で車の移動が必要となる場合は、その分のガソリン代が支給される会社もあると思いますが、朝晩の通勤に伴う車の費用は、自分持ちです。
また、通勤手段の余談ですが、日本では「あり得ない!」と思うのが、スケボーで出勤する人がいること。大多数は自動車通勤で、バスやバイク、自転車、徒歩派の人は少数ですが、中にはスケボーにのって通勤している人も街中ではちらほら見かけます。ハワイには男性のスーツ着用の習慣はないため、さすがにスーツ姿でスケボーにのっている人はいませんが…。
日米の違いを最も感じさせられるのが、これ。薬物使用の有無をチェックするテストが、入社前に行われます。企業によって異なるかもしれませんが、筆者の場合は、「ドラッグやってるんじゃないか?」と会社が疑ってかかっているというより、「念のため受けてね」という、形式上のものという印象でした。
健康診断などを行うクリニックに出向き、手荷物を預け、体に何か隠したりしていないかをスタッフに確認され、トイレに入って採尿。5分程度ですぐに終了し、結果は会社に直接送られるというシステムでした。
筆者は入社して実際の勤務が始まった後にドラッグテストを受けましたが、入社前に受けることを求められる場合もあるようです。結果に問題があれば、当然、雇用は取り消しになるものと考えられます。
日本の場合、今は多くの企業が給料は銀行振込にしていると思います。でも、ハワイでは銀行振込の場合もありますが、チェック(小切手)を渡される場合もあります。
筆者はどちらも経験したことがありますが、チェックでもらう場合は少々面倒。受け取ったチェックを銀行に持っていき、自分の口座に入れるというひと手間が必要になるからです。銀行が近くにあればよいですが、そうでないとやっぱり億劫。何枚か貯まってから、まとめて銀行で口座へ入れるなんてこともしていました。
就職で給料を考えるとき、日本では月収を基本と考えて計算する場合が多いことと思います。しかし外資系企業と同じように、ハワイでは、1年間の給料(年俸制)で考えることが一般的です。入社前の諸条件で年俸が確認され、それにもとづいて12分割された金額が、ひと月あたりの給料となります。(給料日が月2回の場合は、そこからさらに半分の金額が、1回あたりの給料です。)
また、ボーナスの制度もあまりないでしょう。会社の業績に応じて、インセンティブが支給されるケースはありますが、日本のボーナスのように、給料の2か月分、3か月分も出るということはほとんどありません。
日本で最近、クラウドソーシングやアルバイトなどで副業を行う人が増えています。しかし、ハワイでは以前から副業は当たり前。ハワイは、物価がとても高い地域なのに、アメリカの中でも賃金のレートが低い傾向にあるため、一つの仕事だけでは十分な収入が得られないという人が多いのです。
ハワイの場合は、「副業」という言葉よりも「ダブルジョブ」という言い方のほうが一般的でしょう。どちらかが本業というよりは、2つや3つの仕事を掛け持ちしている、と捉える場合が多いようです。
参考:ハワイ暮らしの現実は…ハッピーだけじゃない「ツライと感じた事」10個
これまた会社によってまちまちだと思いますが、日本であれば新入社員に対して一定の「研修期間」を与えるところ、ハワイやアメリカではそのような概念はあまりない場合が多いように思います。
会社の組織概要や社歴、ミッションなどをレクチャーされることはあっても、個々の仕事におけるトレーニングはほとんどなく、就職したときから一人前として扱われる傾向にあります。そのため学生時代にインターンシップを行い、入社後は即戦力としてすぐに仕事ができるように経験を積んでおくのが一般的。
この考えからすると、日本の新入社員研修は、ある意味、過保護と感じる方もいるかもしれません。
日本での就職とハワイなどの海外就職。それぞれにメリットとデメリットがありますから、どちらが良いとは一概には言えませんが、違いを知るということが世界を知ることの第一歩です。
尚、ここで紹介した内容はあくまでも筆者の実体験にもとづいたものであり、企業や地域等によって異なる場合があります。
参考
憧れの海外就職!「アメリカで仕事を見つける」絶対知りたい4つの方法
目指せ海外就職!「世界で日本人が活躍できる」職種&資格
ハワイで仕事探し!日本人の求人が出ているリスト
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